遊舎工房スタッフブログ

このブログは遊舎工房スタッフが交代で記事を書いていくというものです。自作キーボードにまつわるものなど、なんでもOKな縛りがないものとなっていますのでバラエティに富んだものになるかと思います。

さくっとキーボードの基板を作ってみる

キーボードの自作を考えているうちに「このキー配置でこんな機能があったらな...」 「コネクタ形状がType-Cだったらな...」などど思ったことはありませんか?

せっかくの『自作』キーボードです。自分の手で作ってみませんか?!

遊舎工房ではお客様の依頼を受けてのキーボード作成は承っておりません。
また、現在以下に登場するキーボードの発売予定はございません。

今回は以下の項目とともに4x12のシンプルな格子状配列のキーボードをさくっと作ってみます。

  • PCBマウント/プレートマウントともに使える

  • USBコネクタはType-C

  • CapsLock、NumLockなどのインジケータLEDをいくつか

ほしいキー配置をkeyboard-layout-editorなどを使ってざっくりと固めて... f:id:segata24:20200709161546p:plain

キー配置が決まったら、実際にKicad上でスイッチを並べてみます。大まかな外形もここでとっておきます f:id:segata24:20200709162337p:plain

キー数がそこまで多くないため、ATmega32u2というProMicroに使われているものよりひと回り小さいマイコンを使ってみましょう。f:id:segata24:20200717165545p:plain

マイコン周りの配線はデータシートなどを参考にしつつ回路を組み立てていきます。

f:id:segata24:20200710040602p:plain
途中の回路図

わたしの場合、基板を編集しながら回路をつないでいくことが多い(たとえば、キーマトリクスの部分はMCUのピン配置との兼ね合いで後から回路を決める)ので、回路図と基板CADを行き来しながら線をつないでいきます。

基板CAD内の配線を更新するにはこのボタンが便利です。 f:id:segata24:20200710041745p:plain

大体の配線が終わりました。 f:id:segata24:20200710040337p:plainf:id:segata24:20200710040344p:plain

少し外形を整えた3Dレンダリング画像はこんな感じになりました。発注してみましょう。 f:id:segata24:20200717170308p:plain

基板を引いたところで、今回はEcoX.Userなどのレイヤーでトッププレート/MCU部の保護パネルも同じように線にしてみましょう。

基板のスイッチ部分にカギ印をつけておき、そこを目印にを並べます. f:id:segata24:20200717170953p:plain

MCU部保護パネルは外形に沿って引き...... f:id:segata24:20200717171145p:plain

PDFファイルとして保存(印刷)したものを、 f:id:segata24:20200717173345p:plain

InkScapeへ取り込むとこのように。 f:id:segata24:20200717191531p:plain

たとえば遊舎工房でカットできるデータに編集して、

f:id:segata24:20200718131417p:plain
※実際の加工データはもっとずっと細い線で描画する必要があります

アクリル板を加工すると yushakobo.jp

こんな感じに仕上がりました。 f:id:segata24:20200810160348j:plain

発注していた基板を組み立てて、 f:id:segata24:20200810163650j:plain

できました!

f:id:segata24:20200810162408j:plain
アクリルプレートの設計を失敗してしまったのでプレートなしで組み立てました

qmk firmware公式のドキュメントを参考にファームウェアを構成して書き込むと、 docs.qmk.fm

光りました!ちゃんと機能しています! f:id:segata24:20200810165700j:plain

このような感じで、さくっとキーボードの基板を作ってみることができました。

さあ、つぎはあなたの番です!




キースイッチなど、自作キーボードに欠かせない部品は遊舎工房でどうぞ

yushakobo.jp