どうも、「自作キーボード温泉街の歩き方」というブログを運営しているサリチル酸です。
遊舎工房のブログに寄稿する機会を頂いたので、これからはブログ要員として主に新商品の解説やオススメ商品の紹介などをさせていただきます。
さて、今回紹介させていただくのはIkki Aurora R2というキーボードです。
※R2は2回めのGB(グループバイ、共同購入)という意味です。
- Ikki Aurora R2の見どころ
- コンパクトな60%配列にカーソルキーを追加した65%レイアウト
- 65%レイアウトでも特にキーが揃えやすく、キーキャップが映える
- カスタムできる幅が広く、オリジナリティを演出しやすい
- 特定のキーキャップに合わせた特別仕様のケースが用意されている
- 注意事項
- おわりに
Ikki Aurora R2の見どころ
- コンパクトな60%配列にカーソルキーを追加した65%レイアウト
- 65%レイアウトでも特にキーが揃えやすく、キーキャップが映える
- カスタムできる幅が広く、オリジナリティを演出しやすい
- 特定のキーキャップに合わせた特別仕様のケースが用意されている
早速一つずつ解説していきましょう。
コンパクトな60%配列にカーソルキーを追加した65%レイアウト
自作キーボードに慣れた人は%を聞いて大体のレイアウトを想像できると思いますが、興味を持ち始めたばかりの人は何のことだかわからないと思うので簡単に解説します。
上の図の用にフルキーボードを100%として、どれだけのキーが省略されているかを示しています。
60%キーボードとは、テンキー、カーソルキー、ファンクションキーが無いレイアウトを指し、無くなったキーは主にレイヤーキーと組み合わせて2キー以上を押すことで代用します。
※レイヤーキーはノートパソコンのFnキーのようなもので、任意のキーに設定できます。
65%レイアウトというのは、コンパクトなキーボードは欲しいけどよく使うカーソルキーはちゃんと別キーで欲しいという声に応えたレイアウトです。
日常の使用はもちろんゲームにも適していると思いますし、カスタムキーボードとしてもかなり人気のレイアウトとなっています。
私もこのレイアウトが最も好きです。
65%レイアウトでも特にキーが揃えやすく、キーキャップが映える
65%レイアウトについては解説しましたが、実は65%レイアウトは大きく分けて2種類あります。
主に「1.75uシフトキーを使う」か「1.75uシフトキーを使わない」かです。
詳しくない人はこれも何のことかわからないと思うので解説します。
上図の右のレイアウトの方がキーキャップを圧倒的に揃えやすいのです。
なぜかというと、大体のキーキャップセットは100%のフルキーボードに使用することを前提に作られているからで、フルキーボードに無いキーはキーキャップセットに入っていない場合があるからです。
上図の赤丸がない場合が多いのです。
「PageUpとPageDownはあるじゃないか?」と思われるかもしれませんが、よく見てください。
PageUpとPageDownはHomeとEndの隣です。
つまり行ごとにキーキャップの形状が変わるキーキャップの場合、この2つのキーキャップだけ飛び出てしまうのです。
このIkki Auroraが採用するレイアウトならこのような問題が発生しないので、安心してキーキャップを愛でることができます。
カスタムできる幅が広く、オリジナリティを演出しやすい
これはちょっと「知っている人」向けの内容が多いため、注意しながら解説します。
このIkki AuroraというキーボードはR1(初回GB)の頃からバリエーションもカスタムパーツの数も桁違いに多いことが特徴でした。
しかしながらパッとカスタムパーツの名前を見ただけでは効果を想像しづらく、またカスタムできる範囲も分かりづらかったと思います。
PCBが用途に応じて4種類用意されている
PCBとはプリント基板のことで、この基板にマイコンチップなどが実装されています。
文章だけで説明するのは大変なので、まずは下の表を参照してください。
PCB名 | PCB 01 Fairbanks | PCB 02 Yellowknife | PCB 03 Lapland | PCB 05 Bodo |
標準採用 | 標準採用 | |||
厚み | 1.6mm | 1.6mm | 1.6mm | 1.2mm |
打鍵感 | 硬め | 硬め | 硬め | 柔らかめ |
はんだ付け要否 | 不要 | 必要 | 必要 | 不要 |
バックライト | 採用 | |||
アンダーグロウ | 採用 | 採用 | 採用 | 採用 |
対応レイアウト | 多い | 多い | やや少ない | 多い |
注意事項 | はんだ付けが必要 |
はんだ付けが必要 キーの裏側から光るが、対応レイアウトはやや少ない |
柔らかめの打鍵感だが、スタビライザーの使用に少し癖がある |
※PCBも本当は6種類なんですが、技適の関係で遊舎工房で取り扱うのは4種類なのでそれだけ紹介します。
PCB 05 Bodo
まずIkki Aurora R2に標準採用されているPCBが「PCB 05 Bodo」です。
このPCB、標準採用ですが厚みが1.2mmであるため、少し癖があります。
普通のキーボードに採用されるPCBは普通1.6mmなので0.4mm(25%)薄いというだけなのですが、薄くすることで底打ち時に柔軟さが感じられて長時間の打鍵で負担が少なくなることが期待されます。
ですが、シフトキーやスペースバーに用いられるスタビライザーという部品は1.6mmPCB用に設計されているため、取り付け時に0.4mmのスペーサーをかませるか、専用に設計されたスタビライザーを使用することになります。
専用のスタビライザーはこちらです。
[Pre-order] WS Stabs Aurora Seriesshop.yushakobo.jp
PCB 01 Fairbanks
「PCB 01 Fairbanks」はR1の時の標準採用で、「PCB 05 Bodo」を1.6mmにしたようなPCBです。
硬めの打鍵感が欲しい人はこちらを選ぶと良いかもしれません。
※私個人的には「通常の使用の範囲内なら」あえて選ぶほど大差は無いはずですが、影響は無いことはないと思います。
PCB 02 Yellowknife
「PCB 02 Yellowknife」は「PCB 01 Fairbanks」をはんだ付けが必要にしたものです。
頻繁にスイッチを交換しない人、はんだ付けに抵抗がない人はこちらを選んでもいいと思います。
PCB 03 Lapland
「PCB 03 Lapland」は「PCB 02 Yellowknife」と同様にはんだ付けが必要ですし、以下のレイアウトでは使えなくなりますが、LEDバックライトが付きます。
標準レイアウトで良く、派手に光らせたい人はこちらを選んでください。
トップケースを変更できる
この特徴は今回のR2からですが、トップケース(キーボードの上半分)を好きな色のアルミ製のものに変更できます。(全5色)
アルミ製にすることで感じる高級感はもとより、キーボード全体の剛性が上がり、打鍵時の振動も低減されます。
5色の中から好きな色を選べるのも楽しくていいですね。
※Aurora Snow、Aurora x Zen Pondは標準がアルミ製のトップケースです。
プレートを好みの打鍵感に合わせて変更できる
これまた種類が多いんです。
標準はポリカーボネート(PC)プレートを採用しています。
このポリカーボネートプレートは低めの打鍵音と柔らかい打鍵音が特徴です。
POMはポリカーボネートと同様ですが、やや硬めです。
FR4は基板と同じ素材で、素材としてはポリカーボネートより硬く金属より柔らかいといった感触なのですが、これでもかと肉抜きされているためにPOMと同等か少しかたいくらいまで柔らかくなっていると思います。
カーボンファイバーはFR4より更に硬く音も高いのですが、これも肉抜きがされているためにそれなりに柔らかくなっていると思います。
真鍮とアルミは肉抜きがされていないため金属っぽい硬さを感じると思いますが、このIkki Aurora自体が柔らかめなコンセプトですので、ガチガチに硬く感じることはないと思います。
一般的には、アルミの方が打鍵感が柔らかく、真鍮の方が重く音が低いです。
※全てサリチル酸の経験上のもので、Ikki Auroraの場合は異なるかもしれないいことを予めご承知おきください。
他にもオプションパーツが沢山用意されている
ブラスウェイト
まずは定番のブラスウェイトは320gも重量を上げることができます。
「なんでわざわざ重くするの?」と思う方もいるかも知れませんが、キーボードの打鍵音をより上質にするには重量が必要なのです。
Ikki Auroraはアルミ製のトップケースを使うと830g、ポリカーボネート製のトップケースなら720gと、カスタムキーボードとしてはかなりの軽量級です。
この様に軽いと打鍵時の振動が収束しづらく、音も軽くなってしまいます。
上質な打鍵感を求めるならマストバイだと思います。
Poron製ダンピングキット
Poron製ダンピングキットはより柔らかい打鍵感を求める方にはオススメのパーツです。
標準のシリコン製ダンピングキットはかなり固めで、1.2mmPCBやスリットが多いプレートによる打鍵感の柔らかさを消してしまいます。
このPoronスポンジを使うとより柔らかい打鍵感を得られると思います。
Poron製ダンピングキットは標準のキットに含まれませんので追加で買う必要がありますが、Poron製のガスケットは標準キットにも含まれるので注意が必要です。
好みの打鍵感に合わせてガスケット数を変更できる
Ikki Aurora R1からの特徴ですが、Ikki Auroraはトップケースとボトムケースでスイッチプレートを挟む構造になっています。
この挟むポイントの数を増減させることで打鍵感を柔らかくしたり硬くしたりすることができます。
A、C、E、F、H、Iが標準の搭載位置で、B、D、G、Jはオプションの搭載位置です。
打鍵感を固くしたい場合は増やし、柔らかくしたい場合は減らすことで調整できます。
特定のキーキャップに合わせた特別仕様のケースが用意されている
今回のIkki Aurora R2はGMK Zen Pondのイメージと合わせたカラー、装飾が施された特別仕様のケースが用意されています。
このケース、めちゃくちゃ良いので写真だけ見てください。
ちなみにこのキーキャップのGBはIkki AuroraのGB開始に合わせて11/15まで延長されたので、是非この機会にどうぞ。
ただし、一緒に会計はできないので気をつけてください。
[GB] GMK Zen Pondshop.yushakobo.jp
注意事項
今回のIkki Aurora R2のGBに合わせてスイッチやスタビライザーのプレオーダー受付を開始しています。
[Pre-order] WS Switches Aurora Seriesshop.yushakobo.jp
[Pre-order] WS Stabs Aurora Seriesshop.yushakobo.jp
これら[Pre-Order]の商品はIkki AuroraのGBと一緒の購入は出来ません。
くれぐれもお気をつけください。
おわりに
さて、結構語ってしまいましたが、遊舎工房のブログ要員として十分仕事はできたでしょうか。
他の方に到着したIkki Auroraの写真を見て悔しい思いをしないように祈りながら書いていたら、4,000字以上も書き散らしてしまいました。
遊舎工房のブログに次の記事を投稿することがあれば、また読んでください。
この記事はNaked64SF v3 Proto3で書きました。